稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第169回 「岡田 清の浅ダナヒゲトロセット釣り」|へら鮒天国

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稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第169回 「岡田 清の浅ダナヒゲトロセット釣り」

盛期の釣り難しいシチュエーションだけではなく、すこぶる食いが良いときにおいても両ダンゴを凌ぐ釣果を叩きだすヒゲトロセット釣り。近年、競技の釣りには欠かせない盛期の必須釣法としてその地位を確たるものとしているが、そんなヒゲトロセット釣りを武器に今シーズンも勝負の釣りに挑み続けるマルキユーインストラクター岡田 清に、時代の最先端を行く”勝てるヒゲトロセット釣り”を紐解いてもらおうというのが今回のテーマだ。実釣フィールドは既に盛期の好時合に突入した茨城県結城郡八千代町にある筑波流源湖。予想を遙かに超えた超高活性べらの猛攻に戸惑いながらも、次第にイニシアティブを握り始めた岡田。果たして流源べらとの勝負の行方や如何に!

「見た目はダンゴ 機能はバラケ」接近戦を制する上バリ主導のアプローチ!

釣り方のキモについて語る間もなく、いきなり竿を絞り始めた岡田。いつもなら目覚めが遅くアタリだしまで時間がかかることの多い同湖のへら鮒だが、この日は防寒着が欲しくなるほどの冷え込みに加え、昼頃から降りだすという雨待ち天気にも関わらず、スタート直後からアングラー岡田に挑みかかるような激しいウキの動きだ。

「まったくの想定外です(汗)。普段は食いが渋くなりがちな日曜日の釣りが多いので、スタート時はまずへら鮒を寄せることに専念するのですが、これでは既にエサもセッティングも負けているような感じがします(苦笑)」

そう言いながらあらかじめ用意しておいた2種類のバラケのうち、寄せることよりも食わせることに主眼をおいたブレンドに早々に変更した岡田。さらにハリスを詰めたりウキの番手を上げたりするなどの調整を加えながら、序盤戦はへら鮒の猛攻に防戦一方であったが、まったく攻撃の手を弛めようとしない流源べらに対し、ついに上バリのバラケを大きく見直した岡田。記者がそのエサを手に取って感触を確かめると、見た目もタッチもまるでダンゴエサそのものだ。

「今日のような状況は日曜日の釣りでは滅多にお目にかかれませんが、ウィークデーの釣りや数名で競うメジャートーナメントの決勝の舞台では大いにあり得る状況でしょう。そんなときに効果的なバラケじゃないかと考えて作ったものですが、このエサかなりイケそうな感じですよ」

ブレンドされた麩材の持つ特性なのだろう。落下中のバラケ性がかなり抑えられたことでウキのナジミが徐々に安定方向に向かうと、ナジんだと同時にズバッ、ナジミきったトップが煽られた直後にズバッと、面白いように豪快な消し込みアタリが連発し始めた。一変した釣況に岡田は、

「一旦はブレンド変更前のバラケを持たせようとして練り込んでダンゴタッチにしてみましたが、上層に寄ったへら鮒のアタックが激しくかえってタナに入り難くなってしまいました。実際のところダンゴタッチに調整することで好転することは良くあることなのですが、やはりセット釣りですので上バリのエサはあくまでバラケと位置付け、仮に意図的にダンゴタッチにして食わせようとしたとしても、機能そのものはバラケであることが必須条件。今のウキの動きを見る限り、そうした狙いが確実に果たされていることが分かります」

岡田が理想とする”勝てる釣り方”とは、自分が得意とする強い釣りのパターンに持ち込みガツンと釣り込むスタイル。ヒゲトロセット釣りはそんな岡田の夢を叶えるための、最有力候補に挙げられる強い釣りの筆頭格。ウキが立ち上がると同時に激しく揉まれながらも確実にナジミ始め、「来るぞ!」と思った直後、水中に突き刺さるような豪快な食いアタリが連発。圧巻の釣りが今、記者の目の前で繰り広げられている!

取材時使用タックル

●サオ
シマノ「飛天弓 閃光LⅡ」9尺

●ミチイト
オーナーばり「ザイト 白の道糸」1.0号

●ハリス
オーナーばり「ザイト SABAKIへらハリス」上=0.6号- 8cm→ 5cm→ 8cm、下=0.6号-13cm→10cm→13cm

●ハリ
上=オーナーばり「バラサ」7号、下=オーナーばり「プロスト」6号→「セッサ」7号→「プロスト」6号

●ウキ
本多作「up/in(アップイン)」六番【中細テーパーパイプトップ10.0cm/カヤボディ7.5cm/カーボン足4.5cm/オモリ負荷量≒1.2g/エサ落ち目盛りは8目盛り中5目盛りだし】

同三番(ボディ6cm)でスタートした後、バラケが持っている間の早いタイミングでアタリをだそうとしてPCムクトップ仕様のLサイズ(ボディ7cm)に変更するも、一旦タナにバラケを入れた方が良いことが分かった時点でこの六番に落ち着いた。このように釣況に応じてサイズ(浮力の違い)やタイプ(トップの太さや素材の違い)を使い分けることは、勝負を賭ける釣りでは欠かせない必須テクニック。今回は見事この戦略が功を奏した。

取材時使用エサ

バラケエサ①(当日のヒットパターン)

「カクシン」400cc+「カルネバ」100cc+「ほどき」100cc+「浅ダナ一本」100cc+水200cc

五指を熊手状に開いてかき混ぜ、全体にまんべんなく水がゆきわたるまで強く練り込まないのがコツ。まとまる特性を持つ麩材中心のブレンドなので、扱い方としては必要以上に揉んだり練り込んだりはせず、常にエアーを噛ませるようにエサ付けすることがキモになる。

バラケエサスタンダードブレンド

「コウテン」400cc+「ふぶき」200cc+「凄麩」200cc+「浅ダナ一本」200cc+水200cc

作り方は同上。岡田が普段の浅ダナヒゲトロセット釣りで使用しているバラケブレンドがこれ。仕上がりはボソタッチながらまとまり感があり扱いやすそうなタッチで、特性としては水分量がやや少ない分バラケの色合いが濃いものの、手水と押し練り加減でダンゴタッチまで幅広く調整可能なブレンドだ。なおこれでもへら鮒の寄りが乏しく、寄ってからもウキの動きが少ないときは「バラケマッハ」600cc+「凄麩」200cc+「浅ダナ一本」200cc+水200ccという、寄せに全振りした最強バラケが控えている。

くわせエサ

「極上とろろハード」1分包+感嘆水(水200ccに対し「感嘆」10ccを溶いたもの)200cc

とろろは前日に仕込んでおくのが岡田流。「極上とろろハード」1分包を取りだしてボウルに広げて入れておく。このとき長過ぎる繊維は適宜手でちぎっておくと、エサ付けの際に長さを整える手間が省けて良いと岡田。そこへとろろの繊維がまんべんなく水を吸うように感嘆水をゆっくり注ぎ込み、途中で表、裏とひっくり返しながら全体に吸水させたらしばらく放置。十分にとろろと水がなじんだところで小型のパックに3~4等分に小分けして冷蔵庫で保存し、翌朝取りだして保冷バックやクーラーに入れて釣り場に持参する。感嘆水を用いるのは水中でのとろろの広がりを適度に抑制し、大型べらの激しいアオリにも耐え得るエサ持ちを保持するためで、釣り場で行うとどうしても時間がかかり仕上がりの安定性にも欠けるため、釣行前にあらかじめ仕込んでおくことを岡田は推奨する。