稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第173回 「吉田康雄の沖狙いのペレ宙釣り」

「型の良いへら鮒が釣れているらしいぞ!」そんな噂を聞きつけて、リニューアルオープンされた三和新池に勇躍駆けつけたマルキユーインストラクター吉田康雄。ときは盛夏、自他共にペレ宙フリークを認める彼の釣りもまた、真夏の暑さに負けぬ熱量を発し、見るものを魅了する。狙いはもちろんリニューアルに際し放流された大型べらだが、それを阻もうとする既存の中小旧べらの動きも気になるところ。釣り方は吉田が得意とするペレ宙一本。それも沖宙狙いの王道ペレ宙だ。近年クローズアップされることが少なくなった沖打ちペレ宙だが、そうした時代にあってもなお、最先端釣技の研鑽に余念がない吉田。その姿勢は取材中でも変わらず、理想とするウキの動きがでるまで泥臭くとことん突き詰めていく。果たして吉田は狙いどおり三和新池の大型べらと出会えたのであろうか!

悶絶上等!? あがいてももがいても止められない真夏のペレ宙釣り!
見た目のクールさとは裏腹に、常に真夏のような熱い釣りを魅せてくれる吉田康雄。この日も開始から1時間近く動かぬウキに悩まされた一方で、一旦動き始めると容赦なく襲いかかるカラツンの嵐に翻弄されながらも、一歩一歩着実に大型べらに近づこうとするその姿からは、人一倍へら鮒釣りを愛してやまない熱い気持ちが伝わってくる。
「リニューアルオープン後、型の良いへら鮒が釣れるようになったと聞いたので居ても立っても居られず来てしまいましたが、空いている状況では大型べらに狙いを絞って釣り込むことは難しいようで、竿を替えたりタナを変えたり色々試してはいますが、見てのとおり悶絶寸前です(苦笑)。」
ペレ宙釣りには一家言を持ち、ハイレベルな釣技を誇る吉田をもってしても、狙いどおりの展開に持ち込めない難時合。重く大きなペレット系両ダンゴを力技でタナにねじ込み、深くナジませたウキが大きく煽られ直後にガツンと消し込めば申し分ないが、この日の三和新池の大型べらはいささかご機嫌斜め。もちろん相手は生き物なので思いどおりにならないことは百も承知だが、決してそれをへら鮒のせいにすることなくひとつひとつ確かめながら、少しずつ詰めていく彼一流のプロセスは見応え十分。竿ひとつとっても15尺→13.5尺→10尺→18尺と、1日でこれほど竿を替えた取材は記者の記憶にない。

「まだ納得のいく大型べらは釣れていませんが、18尺に替えて完全な沖宙狙いにしてから徐々にウキの動きが安定してきました。残り時間は少ないですが、まだチャンスは残されていますよ。」
そう言って最後の1投まで粘り強く大型べらを狙い続けた吉田。結果を述べれば吉田が想い描いた大型べらには出会えなかったものの、最後はペレ宙らしい安定した縦アタリを連発させて連チャンに次ぐ連チャン。ダブルヒットも数多く混じり、熱男の2026夏物語を締めくくってくれた!

取材時使用タックル
●サオ
シマノ「飛天弓 閃光LⅡ」15尺→13.5尺→10.5尺→18尺
●ミチイト
東レ「将鱗へらストロングアイ道糸」1.0号
●ハリス
東レ「将鱗へらハリス スーパープロプラス」0.6号 上=35cm(25~35cm)、下=45cm(35~45cm)
ハリス段差は10cmをキープしつつ状況に応じて±5cmの範囲で調整
●ハリ
上下=オーナーばり「バラサ」8号(一時7号)
●ウキ
①吉田作「フォルテ」三番
【中太テーパーパイプトップ14.5cm/7.0mm径カヤボディ8.0cm/1.2mm径カーボン足8.0cm/オモリ負荷量≒1.6g/エサ落ち目盛りは7目盛りトップの6目盛りだし】
②吉田作「フォルテ」六番
【中太テーパーパイプトップ17.5cm/7.0mm径カヤボディ11.0cm/1.2mm径カーボン足8.0cm/オモリ負荷量≒2.6g/エサ落ち目盛りは7目盛りトップの6目盛りだし】

取材時使用エサ
⚫︎取材当日の決まりエサブレンド
「ペレ道」150cc+「BBフラッシュ」200cc+「浅ダナ一本」100cc+水130cc(水を加えたら五指を熊手状に開いてザックリ混ぜ合わせる)+「もじり」100cc


五指を熊手状に開き、均一に混じり合うよう手早くかき混ぜる。入れるタイミングとしてはすぐでも良いが、基エサの仕上がりにボソッ気を強調したいときは5~6分放置してから加えるのが吉田流。エサ付けの基本サイズは直径15mmほどで、使用時はつまんだエサ玉を適宜揉み込んでからハリ付けするが、エサ持ちが悪いときは少量の手水を加えてから五指でボウルの縁に擦りつけるようにして練りを加える。またネバリが強過ぎたときは生の「もじり」を少量追い足しするとエサの膨らみが復活し、ウキの動きが活発化した。



なお当該ブレンドは中小べらのアタックが激しさを増したときに使用したもので、いわば当日の決まりエサ。通常吉田が基本としているのは以下に紹介する標準ブレンドパターンだ。