稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第168回 「西田一知の『ほどき』で詰める浅ダナ両ダンゴ釣り」|へら鮒天国

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稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第168回 「西田一知の『ほどき』で詰める浅ダナ両ダンゴ釣り」

両ダンゴの釣りに革新的変化をもたらした「カクシン」の登場から早5年。多くのアングラーがその優れたポテンシャルの恩恵を享受したのも束の間(?)新たな岐路に立たされた現代へら鮒釣り。感度の良いアングラーは薄々そうした時代の到来に気づいているかもしれないが、市場(釣り場)の変化については多くのスタッフから情報が寄せられ、既にメーカーも動き始めている。近年における変化のキモはズバリ。両ダンゴの釣りにおいてはまさに核心部分である芯は「カクシン」の登場以来格段に優れたものとなったが、さらに近年のへら鮒はその芯のできばえまでも識別し、食ったり食わなかったりと我々アングラーを再び難解なエサ合わせの世界へと引き戻そうとしている。今回の釣技最前線ではそうした状況に陥る前に先手必勝とばかりに芯に着目した新製品「ほどき」のインプレッションを敢行。解説を西田一知マルキユーインストラクターにお任せし、今シーズンの両ダンゴの釣りを占うエサ合わせの妙を、東京都東久留米市にある弁天フィッシングセンターにて披露してもらった。

今へら鮒が求めるものは、膨らみでコントロールされた芯のできばえだ!

盛期のへら鮒釣りにおいては、たとえ激しく揉まれてもハリ抜けしない芯の強い麩エサが求められてきた。その課題に対しては「カクシン」が見事に応えてくれて、両ダンゴファンはいうに及ばず、苦手とするアングラーにとっても両ダンゴの釣りの面白さを十分に伝えて余りある役割を果たしてきた。ところが近年のへら鮒は、単に芯の強いだけのエサでは容易に釣れなくなりつつある。

「カタボソからヤワネバタッチのエサへとへら鮒の好みが変わってからは、いかにやわらかいエサの芯を持たせるかが両ダンゴの釣りのキモとなり、『カクシン』はそうした釣り場の変化に見事応え、エサ合わせのハードルを格段に下げてくれました。ところが近年芯を持たせるだけでは釣れないケースが増え始め、こうした傾向はマルキユースタッフのなかからも少なからず聞こえてきていたので、メーカーとしては何らかの解決策を講じておく必要があると判断した結果、『ほどき』の発売に至ったというわけです」

西田の解説を今少しかみ砕くと、両ダンゴの釣りではたとえへら鮒にエサ玉を揉まれても、エサを口にするまで芯がハリのフトコロに残ることは絶対条件。しかしその肝心の芯のできばえ、すなわちハリに残存した部分のサイズやタッチ(膨らみ加減を含めた硬軟の度合い)がへら鮒の口に合わないとアタリにつながらず、たとえアタリがでたとしてもカラツンになってしまう確率が高まってきたというのだ。

「つまり、いま必要なのは持ち過ぎを補う特性をもったエサということになります。新エサ『ほどき』はその名のとおりエサの芯をほどく(吸い込みやすく膨らませるという意味)性質を持つ麩エサです。ただし誤解してもらっては困るのですが“ほどく”と“バラける”は似て非なるものであり、たとえバラケ性に富んだ『バラケマッハ』であっても“ほどく”という役は務まりません。今日の釣りでそうした『ほどき』特有のポテンシャルをお見せできれば良いのですが…」

そう言うと西田は午前7時過ぎ、支度を整えて浅ダナ両ダンゴの釣りを開始。厳寒期の1月でさえ両ダンゴでも釣れるという弁天フィッシングセンター。序盤こそ静かで拍子抜けするほど落ち着いた展開であったが、開始1時間が過ぎる頃にはまだアタリの数は不十分としながらも、明らかにタナまでエサが持たない投が増えてきた。この状況にハリスを詰め、さらにはブレンドを変更してエサの芯を強める対策を施す西田であったが、行き過ぎると途端にスルーされてしまう難しい時合に、満を持して「ほどき」を投入。すると徐々にその効果が現われ、ハコの釣りとは思えぬ良型のへら鮒が次々と玉網に収まっていった。

取材時使用タックル

●サオ
シマノ「飛天弓 閃光LⅡ」12尺

●ミチイト
サンライン パワードへら道糸「奏」0.8号

●ハリス
サンライン パワードへらハリス「奏」0.5号 上=35cm→30cm、下=45cm→40cm

●ハリ
上下=オーナーばり「バラサ」5号

●ウキ
忠相「T-APEX VS(ヴァーサス)」Oサイズ【スローテーパーパイプトップ95mm /二枚合せ羽根ボディ60mm/カーボン足65mm/オモリ負荷量≒0.85g/エサ落ち目盛り=9目盛り中7目盛りだし】

取材時使用エサ

①スタート時のブレンドパターン

「カクシン」400cc+「浅ダナ一本」200cc+「カルネバ」100cc+「GD」100cc+水200cc

麩材をすべてエサボウルに入れたら軽く混ぜてから水を加え、全体に均等に水がゆきわたるように五指を熊手状に開いて丁寧にかき混ぜる。水分がまんべんなくゆきわたったら手を止め、半分ほど分けたものに適宜押し練りを加え、まとまり感を増したものを直径15mm程の角のあるエサ付けで打ち込む。なお、へら鮒が寄り、食わせにかかるときは丁寧に形を整えたものを直径12mmほどの水滴型にまとめて釣り込んだ。

②当日ベストのブレンドパターン

「カクシン」400cc+「浅ダナ一本」200cc+「GD」100cc+「ほどき」100cc+水200cc

作り方は同上。特徴はエサの軽さを損なうことなくしっかり持ってタナで芯が膨らむブレンドとなっている。スタート時のブレンドでのエサ持ちに限界(押し練りを加えてもタナまで持たなくなった)を察知した西田は、次に別のブレンドパターン(「カクシン」400cc+「浅ダナ一本」200cc+「GD」200cc+水200cc)を試したが、これではさすがに芯が強過ぎるのか、上層でのウケが少なく、タナに入ってもスルーされてしまう投が明らかに増えてしまった。そこで途中小分けしたエサに生の「ほどき」を適宜加えて様子を見たところ、徐々にウキの立ち上がりからナジミきるまでの動きに盛期の浅ダナ両ダンゴ釣りに似た動きが混じるようになる。そしてナジミきった直後に消し込む強い食いアタリがではじめたところで一旦エサを打ちきるとブレンド変更に着手。それがこのブレンドパターンだ。