稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第165回 「杉本智也の新べら狙いの両グルテン」|へら鮒天国

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稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第165回 「杉本智也の新べら狙いの両グルテン」

今シーズンの新べら放流もひと段落ついた2025年12月。すでに良型新べらの豪引を十分に楽しまれた方も、まだ新べらの顔すら見ていないという読者諸兄にもまだまだ好釣りのチャンスは残されている。その手助けをしてくれるのはプロフィッシャーマンであり、マルキユーインストラクターの杉本智也だ。釣り方はもちろん両グルテンの釣り。彼自身決して両グルテンのエキスパートでもなければマニアックなグルテンフリークでもないと公言するが、奇しくも今回披露してくれた宙・底二段構え、二段備えの釣りは、彼の最も得意とする正統派スタイルの釣りに個性的なアイデアを盛り込んだ実戦的なアプローチ。「なるほど!」と記者も唸った新べら狙いの釣りが今、そのベールを脱ぐ!

宙では捉えきれない、底でも寄せきれない!そんな難時合にこそ光を放つアプローチ

年の瀬を間近に控えた12月25日。杉本の姿は栃木県小山市にある吉森へら鮒センターにあった。1週間ほど前に今シーズン3回目の新べら放流が行われたという情報を得たスタッフが、これを狙った両グルテンの釣りをオーダー。タナは宙底問わないという条件のみ彼に伝えると、

「放流されてからの日数を考えると、そろそろ水にも慣れて動きが落ち着く頃です。先に放流されたものも含めると、池の四隅とか浅場といった新べらがまずは回遊しそうなエリアをピンポイントで狙うよりも、池の中央付近の深場を中心に宙か底かタナを探りながら、新べらが居着いているところを探り当てるのがセオリーでしょう」

そう言うと、事務所を背にした鉄製桟橋139番座席で16尺を継ぎ、タナ1.5mの宙釣りからスタート。エサは、杉本が両グルテンの釣りの中心軸と位置付けている「グルテン四季」+「わたグル」の基本ブレンドで、マッシュのフレークを効かせたホクホクのタッチに仕上げたものを、エアーを十分に含んだ状態でハリ付け。すると魅惑の膨らみをみせながら水中を落下するエサに興味を抱いた新べらが徐々に引き寄せられ、さらにウキを上下させながら最も反応が良いタナを探り当てると、狙いどおりに新べらがハリ掛かり。時に連チャン、時に良型を絡めながら釣り込んでゆく。

「両グルテンの釣りは寄せて釣るというよりも、いる場所やタナをダイレクトに狙う釣りと割り切っています。すでに新べらは大きな群れでは居着いていないようで、同じタナを攻め続けていてはアタリが途切れてしまいます。今はエレベーターでなんとか拾ってはいますが、もしかしたら思い切って底に付けてしまった方が良いかもしれませんね」

そう言うと、手際よくタナ取りを済ませて底釣りを試みる杉本。しかし底釣りでも容易に理想とするウキの動きにはならない。今日はこれが限界なのか?と記者が思い始めた刹那、杉本が動いた。

「宙でも底でもイマイチという、こんなときにも打つ手があるのですが、試してみてもいいですか?」

と言う否や、改めて下バリでタナ取りを行い、ウキがナジミきったときに下バリが適度なズラシ幅となるようタナ調整を行いリスタート。すると、エサが着底する前のウキのナジミ際にチャッと決めて上バリに、さらに下バリが底に付いてすぐのウキの戻し際にムズッと押さえて下バリにヒットと、記者の理解を遙かに超えた釣り方で竿を絞り始めた。

「これ、イケますね(笑)。放流からまだ日も浅く底に付きにくい新べらと、すでに水に慣れて底に落ち着いた新べらが混在する今の状況下では、宙と底を同時に攻められるこのアプローチが適しているようです」

普段あまり目にしたことのない異色の釣りが今、目の前で繰り広げられている現実に驚く記者を尻目に、次々と新べらをヒットする杉本。タネを明かせば片ズラシの底釣りをアレンジしたもので、決して特殊な釣り方ではないことが分かる。しかし段差の底釣りがスタンダードになった現代のへら鮒釣りでは、極めて小さな段差(この日は10cm)でやる人はほとんど見られなくなったアプローチなのだが、果たしてその結果やいかに!

取材時使用タックル

●サオ
がまかつ「がまへら幻将天」16尺

●ミチイト
東レ「将鱗へらストロングアイ道糸」1.0号

●ハリス
東レ「将鱗へら TYPE-Ⅱ へらハリス」0.5号 上=40cm、下=50cm

●ハリ
上下=がまかつ「角マルチ」5号

●ウキ
①TOMO C-1 #10(完全宙釣り用)【1.2mmテーパーPCムクトップ16.0cm/直径6.0mm二枚合せ羽根ボディ10.0cm/直径1.1mmカーボン足7.0cm/エサ落ち目盛りは全11目盛り中8目盛りだし】
②TOMO C-3 #10(宙&底マルチアプローチ用)【1.0mmテーパーグラスCムクトップ22.5cm/直径6.4mm二枚合せ羽根ボディ10.0cm/直径1.2mmカーボン足7.5cm/エサ落ち目盛りは全13目盛り中10目盛りだし】

取材時使用エサ

■両グルテンブレンドパターン

「グルテン四季」100cc+「わたグル」50cc(2種をボウルに取ったらよく混ぜ合わせておく)+水170cc

水を加えたら均等に水がゆきわたるようによく混ぜ、完全に吸水するまで放置。使用時は基エサを半分別ボウルに取り分け、なかに含まれる空気を押しだす感じで折り畳むように軽く全体を揉み込む。こうすることでマッシュとグルテンが均一に混じり合い、適度にエアーを含んだ膨らみの良いエサ付けが可能になる。