稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第141回 「岡田 清の接近戦メーターウドンセット釣り」|へら鮒天国

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稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第141回 「岡田 清の接近戦メーターウドンセット釣り」

近代セット釣りのキモはズバリ〝間合い〟である。たとえどんなにいいバラケエサができたとしても、肝心要のバラケとくわせエサ、そしてへら鮒との間合いを的確に合わせなければアタリをだすことは不可能だ。事実、単にバラケのなかにくわせエサをシンクロさせるだけではなく、水中に漂う粒子の濃淡に合わせて間合いをはかるへら鮒との距離を正確に合わせなければ釣ることはできない。距離とはすなわちバラケとくわせエサの位置関係(多くの場合、下ハリスの長さとも言い換えられる)であり、これを合わせれば自ずとへら鮒の口近くにくわせエサが位置することになり、その結果アタリが増えてヒットチャンスが生まれるというわけだ。しかし言うは易く行うは難しで、アングラーのイメージどおりに間合いを合わせることは難しい。ならばへら鮒に間合いを取らせず距離を詰めたままアタらせられないかという逆転の発想から生まれたのが今回ご紹介する新エサ、その名も接近バラケ「ふぶき」だ。できあがったばかりの淡いピンクのパッケージに包まれた新エサを携えたスタッフ一行は、そのファーストインプレッションをお届けするべくマルキユーインストラクター岡田 清を誘い、師走の東京都府中市にある府中へら鮒センターを訪れた。

間合いを詰めれば釣りは簡単!? 接近戦を可能にした超微粒子バラケ「ふぶき」

へら鮒が自ら積極的にエサに近づく盛期の釣りよりも、エサに近づかず遠巻き状態でこぼれエサを吸いあおる冬の釣りの方が格段に難しいことはいうまでもあるまい。それはセット釣りの難易度がバラケとくわせエサ、へら鮒の3者の位置関係と密接なつながりを持っているためであり、それぞれの距離が近いほど釣りは簡単に、離れるに従い難しくなるのが一般的といわれている。

「確かに接近戦(バラケとくわせエサの距離をとらない短バリスの釣り)に持ち込んだ方が釣りは簡単になるのですが、正直言ってそれを可能にするエサがなかったというのが実情であり、こうしたコンセプトのエサは僕自身一番欲しかったエサなのです。『ふぶき』はそれを可能にしたという触れ込みですので、まずはパッケージの裏書きどおりの基本的なブレンドから始めてみましょうか。実際今日の釣況がこれにマッチするかはやってみなければ分かりませんが、流れを見つつ、方向性を探りながら新エサの使用感について正直な意見や感想を述べさせていただきましょう。」

初めて手にした「ふぶき」を手に取り、近代セット釣りのキモをズバリと言い放った岡田は、その感触を確かめるべく一旦単品での仕上がりを確認。そして早速パッケージの裏書きにある浅ダナセット用の推奨ブレンドを手際よく仕上げた。師走に入ってもなお、両ダンゴで釣れるほど活性の高い状態が続いているという府中へら鮒センター。エサ打ちを始めて数投でアタリがではじめ、難なくファーストヒットを決めるが、バラケを食ったりくわせエサを食ったりといった中途半端な状況がこの日の釣りを容易に決めさせてはくれなかった。そうした難時合い下においても岡田は新エサの特長を短時間でつかむと、今日の正解は接近戦にありと見切り、TypeⅡのバラケブレンドに変更した。

「ウキの動きは明らかにへら鮒が接近戦を求めていることを伝えていますので、その期待に応えられるようにセッティングを改めます。まずウキはバラケを抱えさせるアプローチに適したパイプトップに、ブレンドはへら鮒をバラケから遠ざけないように『粒戦細粒』を抜き、さらに近づいたへら鮒を確実に仕留められるようハリスを徐々に詰めていきましょう。」

この日の釣りは序盤でのこの判断と対応が功を奏し、一時は水面付近にへら鮒が湧き湧きになる状況のなかで安定的なウキの動きを演出してカウントを重ねていった岡田。新エサ「ふぶき」のポテンシャルを早くも見抜き、自らの手の内に入れたようだ。

使用タックル

●サオ
シマノ「飛天弓 柳」8尺

●ミチイト
オーナーザイト「ヘラ専用白の道糸」0.6号

●ハリス
オーナーザイト「SABAKIへらハリス」 上=0.5号-8cm、下=0.3号-20〜30cm(スタート時は30cm)

●ハリ
上=オーナー「バラサ」6号、下=オーナー「リグル」3号

●ウキ
本多作 浅ダナ用プロトタイプ
①PCムクトップ仕様【ボディ5.0cm/オモリ負荷量≒0.70g/エサ落ち目盛りはくわせエサを付けて全8目盛り中4目盛りだし】
②パイプトップ仕様【ボディ4.5cm/オモリ負荷量≒0.65g/エサ落ち目盛りはくわせエサを付けて全7目盛り中4目盛りだし】

取材時使用エサ

●バラケエサTypeⅠ:浅ダナセット基本ブレンド(パッケージの裏書きどおり)

「粒戦」50cc+「粒戦細粒」50cc+水150cc(吸水のため5分程度放置後)+「ふぶき」200cc+「セット専用バラケ」100cc

五指を熊手状に開いてよくかき混ぜ、全体にまんべんなく水分をゆきわたらせる。使用する際はひとつかみ別ボウルに取り分け、おもに手水調整でタッチを合わせる。

●バラケエサTypeⅡ:当日最も良かった岡田オリジナルブレンド

「粒戦」50cc+「セット専用バラケ」100cc+水100cc(吸水のため5分程度放置後)+「ふぶき」200cc

五指を熊手状に開いてよくかき混ぜ、全体にまんべんなく水分をゆきわたらせる。TypeⅠよりもかために仕上がるので、調整時はやや多めの手水を加えるとよい。

くわせエサ

「感嘆」(1袋に対し「軽さなぎ」30cc入り)10cc+水12cc

水と「感嘆」をカップに取り、アルミ棒を使ってよくかき混ぜてからポンプに詰めて使用。