稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第118回 麻野昌佳の段差の底釣り|へら鮒天国

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稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第118回 麻野昌佳の段差の底釣り

へら鮒釣りファンならば誰もがよく知る厳寒期の食い渋り。とりわけ関西圏における冬の釣りは想像を絶する渋さを呈し、動かぬウキに多くのアングラーがもがき苦しんでいる。そこで今回は関西を代表するトップアングラー、マルキユーインストラクター麻野昌佳に厳しい冬の釣りの実態をありのまま紹介してもらうとともに、最高難度の激渋時合いを攻略する最前線の釣技を披露してもらった。スタッフが用意したステージは大阪府貝塚市にあるへら鮒管理釣り場、水藻フィッシングセンター。多くの釣り場がそうであるように、へら鮒のコンディションは決して良いとはいいがたいなか、信念と確信に裏付けられたその釣りは、果たして食い渋ったへら鮒の口を開かせることができたのであろうか。関西のみならず日本全国津々浦々、冬の食い渋りに悩み、アタリに飢えたアングラー必見の珠玉の段底(段床)を見逃すな!

甘えや妥協は即オデコ!? やれるべきことはすべてトライせよ!

「この時季ウキが動かないのは関西では当たり前ですね(苦笑)。そのため、あまりの渋さに途中で釣り方を変えてしまうアングラーが多く見受けられるのですが、やれるべきことをやらず、ましてや考えることすら放棄して中途半端に釣り方を変えていたのでは、返ってオデコになる危険性が高まりますね。」

実釣直前、厳寒期における関西圏の釣り事情を聞くなかで、こう切り出した麻野。記者もそうした実情はよく知っていて、だからこそ今回の取材には大いに食指が動き、厳しい現実とそれに負けない関西アングラーの熱い釣りをつぶさにお届けしなければ、という使命感を持って取材に臨んだのである。

「魚影の濃い関東の冬の釣りに比べて難しいことは確かですが、それでもやれるべきことをやり、考えられること思いつくことをすべてやり尽くせば1枚でも多くのへら鮒に出会えることは間違いないので、その辺りのところを見せられたら良いのですが…。とにかくこればかりはやってみなければ分かりませんね(苦笑)。」

釣果的に多くを望めないことを承知のうえで、そうした状況下においても「釣技最前線」のタイトルに恥じない釣りを魅せるべく支度に取りかかる麻野。今回彼に披露してもらうのは厳しい関西の冬の釣りにあっても比較的拾える確率が高いといわれる段差の底釣り【以下:段底、ちなみに麻野は段床(だんどこ)と言う】だ。釣り座の水深は3.5mほどであろうか、11尺を継いで大まかに底をとり、若干穂先が余り気味になることが分かると、麻野はより精度の高い釣りには誤差が大き過ぎると判断し、道糸を少し詰めてわずかな余裕を残して穂先一杯で底がとれるように調整を済ませた。そして肝心かなめのタナ取りを改めて行ったのだが、その詳細については動画をご覧いただくとして、特徴的だったのが下バリを地底に着底させた状態でシズ(オモリ)調整を行ったこと。これではハリの重さがウキにかからないことになるのだが…。

「実はそれこそが狙いなのです。一般的には仕掛けが宙にある状態でエサ落ち目盛りの調整を行いますが、段底でグラスムクトップウキを使うことを定番としている私にとって、ハリのサイズ変更やタイプ変更を行った際にエサ落ち目盛りが変わってしまうことは致命的であり、その都度調整しなおすというのもロスが大きく決して効率的ではありません。そこで思いついたのがあらかじめハリを底に着けた状態でエサ落ち目盛りを決めてしまう方法。これならたとえハリを変えてもウキにかかる重さが変わることはありませんからね。」

開始直後から麻野流連発の展開にいやがうえにも期待が膨らむなか、下ハリスを概ね5cmほどズラしたタナでこの日の釣りをスタート。始めから毎投ウキを深くナジませ、ジワジワと戻すよう丁寧に、かつ正確なエサ付けで淡々と打ち返していく。厳寒期の超難時合い下において、食い渋るへら鮒の摂餌を促し、数少ないヒットチャンスをものにする麻野流段底劇場の幕が静かに上がった。

使用タックル

●サオ
シマノ 飛天弓「閃光XX」11尺

●ミチイト
ダン へら名人「礫」道糸 0.6号

●ハリス
ダン へら名人「礫」ハリス 上=0.5号-8cm、下=0.3号-70cm

●ハリ
上=オーナー「バラサ」8号、下=オーナー「リグル」2号

●ウキ
KENSHI(チョーチンウドンセット用)70
【0.6-0.4mm径スローテーパーグラスムクトップ18.0cm/5.5mm径二枚合わせ羽根ボディ7.0cm/0.8mm径カーボン足8.0cm/オモリ負荷量≒1.1g】
※エサ落ち目盛りは全12目盛り中10目盛りだし(後に5目盛りだしに変更)

基本エサブレンドパターン

取材時のベストバラケエサブレンドパターン

「粒戦」100cc+「とろスイミー」50cc+「段底」100cc+「BBフラッシュ」100cc+水200cc(5分以上放置して吸水させたあと)+「セット専用バラケ」100cc+「セットアップ」100cc(五指を熊手状に開いて混ぜ合わせたあと)+「GTS」100cc

サラッと混ぜ合わせたら完成。素材の持ち味を100%引きだすためには混ぜ過ぎないことが肝心で、使用するときもひとつかみ別ボウルに取り分け、仕上がった状態に極めて近い状態のまま使うのが麻野流エサ使いのキモ。調整も五指に付いたごく少量の手水のみで行うよう心がけている。

●くわせエサ

感嘆(「さなぎ粉」入り)10cc+水12cc

「感嘆」1袋に対し「さなぎ粉」30ccをあらかじめ添加。持参した水道水をカップに12cc注いでおいたところに計量スプーンで計った「感嘆」10ccを加えたら蓋をしてシェイク。固まったところで蓋を開けて指でかき混ぜ練り込み、十分にコシがでたところでアルミポンプに詰めて使用する。

魚信分包1袋+水70cc

マグカップで「魚信」1袋を70ccの水で溶かし、電子レンジで加熱。基本は800W×2分にセットし1分加熱したところで一旦取り出してかき混ぜ、再度レンジに戻して加熱を継続。膨らんだら取りだしてかき混ぜ、これを2~3回繰り返すと概ね2分が経過する。これをポンプに詰めて釣り場に持参し、適宜サイズを変えながら押しだして使用する。仕上がりの硬さは水量で調整するが、厳寒期ほど軟らかめが良いという。理由は食感以外にハリ切れの良さがあり、意図的にエサを切って底に置いてくることで、くわせエサへの警戒心を解くことが期待できるという。

力玉(「さなぎ粉」漬け)各種

漬け込み方で変わるサイズや硬さで使い分けるのが基本。またハリに2個付けするのも有効であり、1個付けとは異なるフォルムに摂餌を刺激されるものも少なくないうえに、たとえ1個外れたとしても底に残ることで、前述のように警戒心を解く効果も期待できる。

麻野流 厳寒期における段差の底釣りのキモ そのⅠ:セット釣りの軸はバラケ。ジワジワ戻しが閉ざされたへら鮒の口をこじ開ける!?

段底は冬のセット釣りのカテゴリーに含まれる釣り方のひとつ。ゆえに使用するバラケの扱い方やアプローチの方向性は、厳寒期に行われるすべてのセット釣りに共通するものであると麻野は言う。

「バラケを作る際にベースとなる素材ですが、宙底問わず同じであることが自分の釣りの特徴です。作り方も同様に『粒戦』『とろスイミー』『BBフラッシュ』の3種に吸水させるまでは浅ダナもチョーチン釣りも同じで、今回は段底なので『段底』を先に加えて吸水させていますが、後から加える素材は基本的にすべて同じです。さらにエサ作りの際にはできるだけ手を加えないことを心がけています。これは個々の素材のポテンシャルを100%引きだすために他なりませんが、こうしたエサ使いが食い渋ったへら鮒に最も有効であることは私自身十分に認識していることであり、多くのアングラーに声を大にして言いたいことなのです。」

麻野はいかなるセット釣りも考え方は基本的に同じであり、たとえ釣り方が変わっても研ぎ澄まされた自らの指先の感覚を同じくするにはブレンドする素材を変えないことが極めて重要だと力説する。確かに釣りが変わるたびにバラケのブレンド素材が変わってしまうと、その都度エサ付けにおける指先の感覚を一旦リセットし、タッチの異なるバラケに合わせて扱い方を変えなければならず、言われるまでもなく難易度が格段に増すことは容易に想像できよう。

「バラケのタッチには人それぞれの特徴がありますし、調整によるタッチの変化やエサ付けの違いによる水中でのバラケ方にもアングラーの個性が表れます。私は食いが渋くなるほどウキを深くナジませて、トップがジワジワとゆっくり均一なペースで戻すパターンが適していると確信しており、意に反して早抜けしてしまうといったミスをできる限り減らし、こうしたウキの動きになるようにブレンドに加えた『とろスイミー』のポテンシャルを最大限生かすことを心がけています。」

この日のへら鮒のコンディションは予想どおり渋く、毎投トップ先端ギリギリまで深くナジませたウキがゆっくり戻すパターンを繰り返すも、エサ打ちを始めてから30分はウキに何の変化も現われず、麻野流アプローチの威力を計るにはまさに好都合ともいえる難時合い。開始から40分を過ぎようとした頃に初めて弱々しいサワリがみられたもののアタリには結びつかず、さらに丁寧なエサ打ちを繰り返すこと30分。ジワッとシモるような動きに対してトップの付根が見えるくらいの縦サソイを加えると、勝負目盛りが水面上にチラついた刹那「チクッ」と入り、ウキの動きからは想像もできないほどの強烈な引きをみせて肉付きのいい尺超級が水面を割ってでた。その後も麻野の言ったとおりウキを深ナジミさせたときにサワリからアタリへと連動することが明らかになると、スローペースながらも時折連チャンを決めるといった見せ場を交えながら、見応えのあるパターンフィッシングで確実にカウントを伸ばしていった。

麻野流 厳寒期における段差の底釣りのキモ そのⅡ:エサを食いやすくする縦サソイ+バラケに紛らせ誤飲を誘発する横(引き)サソイ。縦横無尽のサソイで食い気を刺激せよ!

厳寒期のセット釣りには欠かすことができないサソイのテクニック。とりわけ食い渋ったへら鮒に対するサソイはそのやり方次第でアタリがでたりでなかったりと、今や釣果に直結する重要なテクニックのひとつとして認知されている。一体麻野はどのようなサソイで口を閉ざしたへら鮒の摂餌を刺激し、口を開かせアタリへと導くのだろうか。その一挙手一投足をつぶさに見ていると段底ではスタンダードともいえる縦サソイと、サオ先を大きく左右に振る横(引き)サソイを状況に応じて使い分け、ここぞという場面で的確にアタリを引きだし、ヒットにつなげていることが分かった。縦サソイは、持ち過ぎたバラケの促進を目的としたデリケートなサソイと、地底の凹みに埋没したり引っ掛かったりしたくわせエサを置き直しにより食いやすくするためのサソイという2パターン。横サソイはウキが流された際にバラケの有効範囲内にくわせエサを引き戻し、底にちりばめられたバラケの粒子に紛れさせることで誤飲を誘発させることを目的としたもので、縦サソイによるくわせエサの置き直しよりも確実にハリスにテンションがかかった状態でアタリを待てるので、へら鮒が弱い力で吸い込んでも小さなアタリがウキに伝わりやすいというメリットが生かせるものと記者は見た。

「バラケをしっかり持たせてウキを深くナジませていると、ときに持ち過ぎてウキが沈没したまま戻してこないことがあります。そんなときにはサオ先を少しだけゆっくり動かす縦サソイでバラケを促進し、わずかでも必ずトップを水面上にだすようにしています。これとは別に多くのアングラーがやっているのと同じように、地底で食いにくい状態になったくわせエサを食いやすい状態に戻すことを目的とした縦サソイも必要に応じて行います。この縦サソイが有効なのはウキにサワリが表れているにも関わらずアタリにつながらないときで、くわせエサの近くに寄っているのにそれを口にすることができない何らかの要因があり、それを取り除いてやるためのサソイです。実際に効果があることは多くのアングラーの知るところでもあり、見てのとおり今日もこのサソイに反応してアタリをだしたへら鮒がいましたね。さらに引きサソイですが、こちらはウキが流されてくわせエサがポイントから外れない限り行うことはありません。今日は季節風も弱く比較的流れは緩やかでしたが、それでも時折エサ打ちポイントから外れるくらい流されることがあったため横サソイを加えました。こちらもウキが元の位置に戻した直後にアタリがでることがあり、効果があることが分かっていただけたと思います。」

サソイについてはなるほど効果のあることが分かったが、必要以上にサソイに頼ることはいささかリスクが大きいと麻野は警鐘を鳴らす。なぜならサソイでアタリがでることが分かるとついサソイに頼りがちになり、本来軸となるべきバラケの効用が生かしきれず、結果として釣果に結びつかないことになるからだ。あくまで主役はバラケであることを忘れてはいけない。

麻野流 厳寒期における段差の底釣りのキモ そのⅢ:凍てつく厳寒期も完全燃焼。やれるべきことはすべてやり尽くす!

繰り返し述べているが「やれるべきこと」をやりきることが麻野流の真骨頂なのだが、この日の釣りをとおして記者が見た「やれるべきこと」をまとめると概ね以下のとおりだ。

●段底ではへら鮒が食いやすいタナに設定することが肝心。そのひとつの目安が〝勝負目盛り〟であり、この目盛りがでないときはタナが狂っている可能性大。納得するまで何度でも調整を繰り返して必ず勝負目盛りがでた状態でアタリを待つこと。ちなみにこの日麻野が入ったポイントの底は掘れやすく、開始から2時間程度で5cmほど一気に掘れてしまい、その後掘れ方は緩やかになったものの最終的には8cmほど掘れたことが分かった。勝負目盛りがでなくなるたびにタナ取りをやり直すと、必ずといっていいほどその直後にアタリがでることが多かった。

●ウキの浮力が勝ってしまうとへら鮒が警戒してアタリがでにくくなる恐れがある。この日も途中でいきなりへら鮒の反応が途絶えてしまったためこれを疑い、エサ落ち目盛りを12目盛り中10目盛りだしから5目盛りだしに変更。この直後に再びアタリがではじめ、改めてエサ落ち目盛りの重要性を思い知らされたが、同時に極細グラスムクトップ先端ギリギリでバラケを持たせるテクニックの難易度は格段に増すことになるので、エサ付け時のサイズ・形状・圧加減については細心の注意が必要になる。参考までに10目盛りだし時のエサ付けサイズは直径10mm程で、5目盛りだしに変えてからはわずかに小さくエサ付けされていた。

●くわせエサは食いが渋くなるほど軽く小さなものが有効で、あらかじめ比重やサイズの異なるくわせエサを数種類用意しておくことが肝心だと麻野は言う。実際どれが良いかはその日そのときのへら鮒次第で、この日の前半は明らかに「感嘆」でヒットしたケースが多く、午後からは「力玉」の2個付けを含め、ローテーションで替えながらアタリを引き出していた。

●初歩的なことだが、読者諸兄は本来アワせるべきアタリを見逃してはいないだろうか?厳寒期における段底の食いアタリは基本的に極小で、他の時季であればサワリ程度の弱く小さな動きで食っていることが少なくない。たとえストロークが小さくてもチクッとスピード感がありキレのあるアタリであれば容易にアワせることができるが、ムズッとシモるようなアタリや半目盛りほど押えるようなアタリは見逃してしまうことが多いに違いない。動画ではそうした小さな動きに的確にアワせていることがお分かりいただけるだろうが、実際に現場で見ると想像以上に小さいので、ぜひそうした動きを参考にしてアワせるべきアタリを的確に識別していただきたい。

●食いアタリがでないときはウキを小さくしたりハリスを伸ばしたり、さらにはハリを極限まで小さくしたりすることも有効な手立てだが、やり過ぎは禁物だ。なぜならこれらの対策によりタックル全体にかかるテンションが弱くなり過ぎるとウキへのアタリの伝達が鈍くなり、折角へら鮒がエサを口にしてもその動きがウキに表れないのでは本末転倒といえよう。実際、麻野のタックルは若干対策の余地を残した状態を維持しつつ、あくまでバラケのコントロールを中心に前述の各種対策を的確に講じながらアタリを引きだし、数少ないヒットチャンスをものにしていた。

「恐らくやれるべきことは皆さんほぼ同じはずです。ただ、それを実践できるかどうかは別問題であり、やれる人はきっと習慣として、またルーティーンとしてやれているのだと思います。ただでさえウキの動きが少ない厳寒期なので、できるだけ多くの情報をウキから得なければ的確な対策は施せません。そのための準備は既に紹介したとおり、あとは実践あるのみです。」

さらに麻野は閃きや咄嗟の思いつきも有効だと言う。へら鮒は生き物なのでセオリーどおりに動くとは限らず、セオリーとは真逆の対策でアタリをだすこともある。「やってダメなら元に戻れば良いだけ。とにかく動いてみることが肝心だ」と金言を残し、この日の釣りを締め括った。

記者の目

厳寒期、他のアングラーよりも抜きんでた釣果をたたきだす麻野の釣りには、決して人には真似のできない超絶テクニックが隠されているのでは?と思いつつ取材に臨んだ記者であったが、意外にも目に見える部分でのテクニックに関しては、多くのアングラーも実戦している基本とセオリーに終始し、彼にしかできないといった特殊なテクニックは見当たらなかった。しかし随所に彼流のアイデアがちりばめられた釣りは「なるほど」と唸らされるシーンが多々あり、その背景にはへら鮒釣りに対峙するうえでのメンタル面で、ほかのアングラーには容易に真似のできない重要な要素が存在することに気づかされた。それはいうまでもなく妥協したり甘えたりすることを一切許さず、その日そのときにやれること・考えられることはすべてやり尽くすというフィッシングスタンスである。ただでさえウキの動きが表れにくい厳寒期、惰性でエサ打ちを繰り返すだけでは決してアタリを引きだすことができないことを知っている麻野は、ブレない強い信念のもと基本とセオリーを重んじ、実践している。言葉にするとこれだけのことだが、実際にやるとなると容易なことではない。何もやらなければ決して好釣果は得られない。しかし、やればやっただけの結果は必ずついてくるものと信じ、あらゆることを想定して準備を怠らず、釣況が悪くても決して途中で諦めない。へら鮒釣りは単なる趣味であるが、人生にも通ずるそのスタンスは必ずや読者諸兄に嬉しい1枚を届け、そしてへら鮒釣りのさらなる深みに誘うに違いない。