稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第172回 「杉本智也の最強チョーチン両ダンゴ釣り」|へら鮒天国

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稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第172回 「杉本智也の最強チョーチン両ダンゴ釣り」

ペレ宙にホタチョー、夏を代表する釣り方には様々あるが、読者諸兄はこの釣りをお忘れではないだろうか?桟橋直下の金鉱脈(良型の宝庫)を短竿でダイレクトに攻めるチョーチン両ダンゴ釣りを! 釣れだしこそ決して早くはないがジワリジワリと右肩上がりに釣れ始まると、やがてパワーショベルでガッポガッポと掘り起こすように、黄金に輝く良型べらが次から次へとハリ掛かり。先行する浅ダナ組に追いつくとあっという間に引き離すその爆発力は今なお健在で、ダイナミックなその釣趣は多くのへらアングラーを惹きつけ決して離さない。今回登場していただくマルキユーインストラクター杉本智也も、そんなチョーチン両ダンゴ釣りをこよなく愛するアングラーのひとり。「この釣りで負けたらへら鮒釣りをやめるしかないですね(笑)」と豪語するほど練り上げられたアプローチは、へら鮒釣り界隈では“最強”と噂される徹底した深ナジミの強い釣りとして知られており、「自分だけが釣れても意味がない。多くのアングラーが易しく楽しく釣れることが大事!」とも公言する。実釣フィールドは千葉県野田市にあるWakuWakuField野田幸手園。杉本智也のゴールドラッシュに竹桟橋が沸き返る!?

徹底した深ナジミによってもたらされる鉄壁の安定時合!

「チョーチン両ダンゴ釣りにも色々なアプローチがありますが、昔も今も自分のスタイルはこれ一択です。もちろん自分自身この釣り方に迷いはありませんし、何より簡単によく釣れるので、教え手としてもこの動画をご覧になって参考にしようとするアングラーの皆さんの、今後の釣果アップにつながるものと確信しています。」

竹桟橋中央付近に釣り座を構えた杉本は「まずは探りで……」と言いながら10尺竿を継ぐと、自身の定番ブレンド(結果的にはこれが当日の決まりエサ)を手際よく仕上げて第1投を打ち込んだ。多くのへら鮒釣りがそうであるように、スタート直後は狙ったタナにへら鮒を寄せるために多少あまめのエサ付けにより浅ナジミとなるものだが、あらかじめ数十回練りを効かせたダンゴエサは、トップが沈没する間際まで静々と深ナジミを示した。これを見て納得の表情を浮かべた杉本は間髪入れずに打ち返すと、2投、3投と早めのテンポでエサ打ちを繰り返す。毎投深ナジミを示し、数投に1回は沈没する投もあるが、そんなときは軽く竿先をシャクりながらトップが水面上に残るように調節する。実はこの動作は徹底した深ナジミを貫き通すために必要不可欠なアクションで、記者は後に杉本流チョーチン両ダンゴ釣りを語るうえで欠かせないテクニックのひとつであることを知らされる。やがてアタリがではじめるとスローペースながら順調に釣れだした。

「まだ寄りが少ないので糸ズレらしき動きはみられませんし、ウキが沈没しかける直前から1~2目盛り戻す間にアタリがでているので状態としては悪くありません。何より狙った深い位置でアワせる動きがでているので、このまま続けていればゴールドラッシュは間違いないでしょう(笑)。」

自信に満ちた表情でそう言い放つと、時間と共にペースを上げていく杉本。へら鮒の寄りが増すにつれウキをナジませるのが難しくなってくると、ハリスを詰め、ハリをサイズアップし、最後にウキの番手をワンサイズ上げてトータルバランスを完璧に調整。最後は黄金色に輝く良型混じりの大型ラッシュを見事に決めてみせた!

取材時使用タックル

●サオ
がまかつ「がまへら天輝」10尺

●ミチイト
東レ「将鱗へらストロングアイ道糸」1.0号

●ハリス
東レ「将鱗へら TYPE-Ⅱ へらハリス」0.6号 上=35cm、下=45cm
上記でスタートし、状況に応じて上20~40cm/下30~50cmの範囲で随時調整

●ハリ
上下=がまかつ「トリガー」8号
状況に応じて上下7号~9号の範囲で随時調整

●ウキ
TOMO「C-1」No.10【元径1.2mmテーパーPCムクトップ16.0cm/直径6.0mm二枚合わせ羽根ボディ10.0cm/直径1.0mmカーボン足7.0cm/オモリ負荷量≒1.7g/全11目盛り中8目盛りだし】
上記でスタートし、終盤へら鮒の活性が増してウキのナジミが負け始めたところでNo.11(オモリ負荷量≒2.0g)にサイズアップしセッティングはコンプリート

取材時使用エサ

⚫︎両ダンゴ基本エサブレンドパターン

凄麩」200cc+「カクシン」400cc+「カルネバ」200cc一旦軽く混ぜ合わせてから+水280cc全体に水をゆきわたらせてから40~50回エサボウルのフチに擦りつけるように練ったあと+「浅ダナ一本」200cc

練った際にできた塊をほぐすようにザックリと混ぜ込んでいく。仕上がった基エサのタッチはむっちりしたなかにエアーを含んだふんわり感も残り、「浅ダナ一本」の白い微粒子がまだらに残っている半完成品のようにも見てとれるが「これでOK」だと杉本は言う。使用時は特に小分けすることはなく、基エサの一部を摘まみ取ったあとに揉んだり転がしたり、やわらかいタッチのエサにしたいときは、あらかじめ手桶の水を付けた指でエサを摘まみ取ってハリ付けする。エサ付けサイズは丸めると直径18mmほどになる量をハリにまとわせてから水滴型に整え、集魚力を増したいときは意図的にエサに指跡を残すといった繊細なエサ合わせを実践している。これこそが杉本流エサ合わせの心臓部。ボウルから摘まみ取り、ハリ付けが完了するまでのパターンは無限にあり、必要であれば1投ごとに変化を加え、時合をつかんだときには毎投同じようにエサ付けをすることで安定感を増している。なおこのブレンドでネバリが強過ぎると感じたときは「凄麩」と「カクシン」の配合量を入れ替えるといった、極めてシンプルな方法でエサ合わせを行うのが杉本流だ。